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【新機能】Apple Watchの心電図機能・精度について臨床検査技師が考えるオススメポイント

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こんにちは。maikoです。
臨床検査技師かつ心電図検査に従事するわたしにとって
気になるニュースがありました。

Apple Watchに心電図アプリケーションと不規則な心拍の通知機能が登場

臨床検査技師人生で10万人以上の心電図をとってきた私が、
心電図について語ります!!

そもそも心電図って何?

心臓は体に血液を送り出すポンプです。
全身に血液を送り出す動きをする時、心臓には電気信号が流れます。
その電気的興奮の時間的変化を波形にしたのが心電図です。
病院で行われる心電図は標準12誘導心電図といい、
手首足首、胸部に6個の電極を付け、
そこから12タイプの波形を記録する検査です。

Apple Watch 心電図アプリケーションで分かること

心拍リズムを心房細動、洞調律、低心拍数、高心拍数、判定不能の5つで判定

洞調律と心房細動について

洞調律正常な心臓の動きです。
洞調律は心臓が規則正しい間隔で動いること。
例えば1分で60回ならば1秒ごと規則的に拍動
トク、トク、トク、トク、トク
こんな感じ。

洞調律か否かの判断のしかた

  • P波があること
  • P波に続くQRS波があること

下にP波とQRS波を示します。洞調律ではこれが同じ間隔で繰り返します。

※アップルウォッチの洞調律の判断要素が何かは分かりません。

心房細動不整脈のひとつ
心房に無秩序な電気的興奮が発生する。
そのため電気信号が不規則なリズムで伝わり心臓の拍動も不規則になる。
トク、トク、トクトクトク、、、トク、、トクトク、、、トク
こんな感じ

心房細動ではP波はなくなります。
不規則なリズムなのでQRS波の間隔がバラバラになります。

不規則なリズムだと心臓に血栓ができやすくなり脳卒中などを起こすリスクが高まると言われています。
症状がある場合と無症状の場合がある。

要は洞調律と心房細動は、
洞調律=規則的  心房細動=不規則

心電図判読の精度

appleのサイトには下記ように書かれています。

心電図の記録を心房細動(AFib)と洞調律に正確に分類する心電図アプリケーションの機能は、約600人が参加した臨床試験で検証されました。検証では医師による標準基準の12誘導心電図のリズム分類と、心電図アプリケーションが同時に記録したリズム分類を比較しました。この研究で、Apple Watchの心電図アプリケーションは、分類可能な記録のうち、心房細動の分類で98.3パーセントの感度を、洞調律の分類で99.6パーセントの特異度を示しました。また、この研究では、心電図アプリケーションによる分類可能な記録は全体の87.8パーセントでした。

https://www.apple.com/jp/newsroom/2021/01/ecg-app-and-irregular-rhythm-notification-coming-to-apple-watch

分かりやすく言い換えます.

心房細動の分類で98.3パーセントの感度実際に心房細動の人が計測し、アプリケーションの判読結果も心房細動だった割合が98.3%ということ。

洞調律の分類で99.6パーセントの特異度実際に洞調律(正常)の人が計測し、アプリケーションの判読結果も洞調律(正常)だった割合が99.6%ということ。

感度特異度ともに精度は良いと感じました。

臨床検査技師の考えるapple watchの良いところ

・症状が出た時に記録できる

病院で検査をしていて患者さんに
「病院にきたら症状おさまっちゃったんだよね。」
「検査になると心臓おとなしくなるんだよね。」とよく言われます。
心房細動は常に出ているわけではないから、
動悸を感じて、もしやと思って病院に来たけど、
その頃にはもう動悸がおさまっていて心電図をとったけど
結果も正常と言われたみたいな事はよくあることです。

apple watchがあれば、
症状を感じたとき、日頃も気軽に計測して記録を残せます。
それを病院に持っていき「こんな症状の時こんな心電図が取れました。」
と言って出せば、病院にいってから検査するより有益な診療情報になると思います。
なのでapple watchの心電図機能は自身の健康管理に活用できると思います。

・無症状の心房細動の早期発見

健康診断でとるたった10秒の心電図で心房細動を発見できるのは
ある意味運のいい人か、
心房細動の発生頻度が増えているひとです。
apple watchで定期的に記録していれば早期発見に繋がります。

・心房細動をすでにお持ちの方の安心につながる

治療したけど再発など不安はさまざまだと思います。
病気は自分の状態が分からないことが1番の不安になります。
いつでもapple watchで自分の心電図を管理出来たら安心に繋がります。

・判定結果は5パターン

判定結果は心房細動と洞調律の分類しか出来ないのかと思いきや、
他にも低心拍数、高心拍数、判定不能を5段階で判読してくれるところが
さらに良いポイントです。
感度は分かりませんが、多少なりとも徐脈性不整脈、頻脈性不整脈を拾える可能性があるならば、心房細動以外の不整脈を見つけることも出来ます。

・不安要素

逆に判定不能になったときは一般の方はやや不安を抱くことになるかもしれません。
ツイッターで心電図波形を添付し、
「判定不能と出るがこれ大丈夫かな?」っていうツイートを見かけました。
その心電図は私の見る限りは正常かなと思いましたが、
一般の方は分からないので
いらぬ不安を抱いてしまうかもしれません。

さいごに

この機能を用いて多くの人が手軽に自分の心電図を把握管理でき
心房細動などの不整脈疾患の早期発見につながるといいなと思います。


心原性の脳梗塞は発見が遅れると体が不自由になる可能性もあり、
自分も周りの人も不幸になります。


病気にならない人はいません。
予防をしていれば、重症にならず日常を維持出来るかもしれません。
そういう意味で予防医学は非常に大事だと考えています。
Apple watchならオシャレの延長で健康管理ができますね。
私も欲しいです。

ゆくゆくは病院で心電図を取ることがなくなり
家で記録して持ってくる未来がきたら良いなと思います。
患者さんも医療人も楽ちんでwinwinです。
私の方は職を失うかもしれませんが(笑)
そのくらい発展してく世の中の方が面白いです。

それでは〜

P.S.

計測は正しい方法で行ってください。
心電図は測定中に動いてしまったりすると波形にノイズが入ってしまい、
正しく判読されません。

計測は正しい方法で行って有益な情報を残してくださいね。

 

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